東京映画祭で「エコ」上映
10月18日に開幕する第21回東京国際映画祭で、漫画家・手塚治虫氏の生誕80周年を記念した特集上映が組まれる。
映画祭の今回のテーマは「エコロジー」で、手塚氏の作品が自然や地球へのメッセージ性が強いことから上映。
中でも海洋汚染を描いた「
海底超特急マリン・エクスプレス」には代表的キャラクターが総出演しており、あらためて国内外の注目を集めそうだ。
1989年の死去後も色あせない手塚ワールドが、アジア最大級の映画祭でよみがえる。
特集上映は7つのプログラムで構成予定。
特に「マリン・エクスプレス」は目玉だ。
鉄腕アトム、お茶の水博士、ブラック・ジャック、ジャングル大帝レオなど、手塚作品の人気キャラクターが勢ぞろいし、自然への愛を訴える。
1979年に日本テレビ「24時間テレビ」で放送された長編。
現在、DVDは生産中止となっている。
スクリーン上映は初めてではないが、映画祭の華やかな雰囲気の中で観賞できる貴重な機会として、国内外の注目を集めそうだ。
今回の映画祭のテーマは「エコ」。
上映劇場前に敷くレッドカーペットを、ペットボトルを再利用した素材で作るグリーンカーペットにするなど“地球に優しい映画祭”を前面に押し出す。
テーマに沿った上映を企画していた映画祭サイドが手塚プロダクションに依頼。
生誕80周年の節目でもあったことから実現する。
手塚作品には、現代の諸問題を予見したような内容が多い。
中でも、チャイコフスキーの交響曲第4番をBGMに、自然破壊を繰り返す人間に対して動物たち が生命の尊さを説く「
森の伝説」と、海底列車の開通で海や太平洋の島々に危機が迫る「マリン・エクスプレス」はメッセージ性が強い。
手塚プロでは今回の企画に対し「映画を愛してやまなかったアーティスト手塚治虫がこん身の思いで作った作品を、同じく映画を愛する多くの人に見ていただきたい」と期待を寄せている。
スポーツニッポンより
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