「葉っぱ」通し環境問題学ぶ
アニメで環境問題の本質を学んでもらうDVD「葉っぱのハルムのつながりで分かる! ぐるぐるエコ教室」が完成した。
東京都町田市でごみ減量に取り組む市民団体「町田発ゼロウェイスト」代表で、早稲田大理工学術院総合研究所の広瀬立成(たちしげ)教授(70)が発案し、杉並区の映像製作会社「ビジュアルスケー プ」に製作を依頼した。
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2の削減によって温暖化を防ぐことが注目されがちだが、本当に大切なのはごみの削減だということを、葉っぱの一生を通じて説明している。
広瀬教授が製作を思いたったきっかけのひとつは、小学生向けの出前授業だった。
「シロクマが危ない」「北極の氷が解ける」。
児童たちに環境問題について知っていることを尋ねると、こんな意見が出てきた。
広瀬さんは「環境問題の本質を理解していない」と危機感を持った。
高エネルギー物理学専攻の広瀬さんが考える環境問題の本質は「物質循環」。
植物と小動物菌類によって、物質が自然へと返されるつながりこそが大切で、つながりの輪に入らないプラスチックなどの削減を訴えている。
今回、アニメの主人公にしたのは
葉っぱのハルム。
ある日、台風で仲間の葉っぱがすべて枝から吹き飛ばされてしまい、ハルムは仲間を探すために旅に出る。
途中で知り合ったフクロウから、落ち葉とアリやダンゴムシなどの昆虫との関係や落ち葉が分解されるまでの循環について学ぶというストーリーだ。
広瀬さんは「葉っぱは人間からすればごみだが、ほかの生物には資源になっている。子どもにも身近な葉っぱを通じて環境を考えてもらいたい」と話す。
45分間のDVDにはアニメのほか、町田市内で生ごみを堆肥化(たいひか)して農業に役立てる市民団体や、レジ袋を全廃した町田市のスーパー三和小山田店の取り組みなども紹介している。
毎日新聞より
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