猛暑 街を冷やせ
横浜市、伊勢原市など神奈川県内自治体が真夏の暑さを緩和させる対策に相次いで取り組んでいる。
霧状の水を吹き付ける「ドライミスト」と呼ばれる装置を設置する商店街や民間事業者を支援したり、公共施設の壁面を緑化して室内の温度を下げる。
最高気温が30℃を超える暑い夏を少しでも過ごしやすくしようと工夫を凝らしている。
ドライミストは水を霧状に噴射して、気化熱によって周辺の気温を下げる装置。
うっすらと霧が出て、前を通るとひんやりする。
横浜市は今年、ドライミストを設置する事業者に対して費用を上限500万円まで助成する制度を設け、3事業者が助成を受けた。
そのうちのひとつである伊勢崎町一・二丁目地区商店街振興組合は助成金も含めて約800万円をかけて2基設置、8月から稼働している。
同組合は「街に来る方が喜ぶことを積み重ねていく」と設置による集客効果も見込む。
同組合によると、ドライミストを商店街の公道に設置するのは珍しいという。
相模鉄道は二俣川駅の上下両ホームと階段の天井部分に設置した。
市が運営するよこはま動物園ズーラシアでも来園者が集まる広場やベンチに取り付けた。
建物の周りに植物のツタを巡らせ、内部の気温を下げる「緑のカーテン」も増えている。
横浜市内では中区や緑区の区役所のほか、小学校などの公共施設で実施。
ゴーヤやアサガオなどを壁面に巡らせている。
神奈川県が昨年、県庁舎で実施した実験では、緑のカーテンを設置すると内側の気温が平均で2.6℃低下したという。
伊勢原市は今年から市内の全14小中学校で実施しているほか、ツタを絡ませるネットを市内の130世帯に配布。
「公共施設だけでなく、地域全体に広げていきたい」(環境保全課)としている。
日本経済新聞より
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