ゴーヤーでエコの輪
環境保全を合言葉に埼玉と東京、沖縄でゴーヤー栽培でユニークな縁が広がっている。
「緑のカーテン」で庁舎内の温度を下げようという埼玉県三郷市(木津雅晟市長)の取り組みに、東京都板橋区と沖縄の行政や団体が協力し、種や苗を無償提供した。
三郷市は庁舎の壁面に張った網を伝って育つゴーヤーに冷房費抑制や地球温暖化防止の効果を期待。
実や種は市民に配る予定で、収穫の楽しみも広がっている。
南側の壁面に当たる直射日光を防ぎ、室内温度を下げようと、市環境保全課がゴーヤーの栽培を企画した。
ところが、同県内で購入できるのは外国産種子だけ。
発案した同課の関根保課長は「ゴーヤーと言えば沖縄。ぜひ沖縄の種を使いたい」と考え、知人で沖縄商工会連合会事務局長の川満光行さんに打診した。
川満さんが県農協中央会などに相談したことから輪が広がり、那覇市から寄付されたゴーヤーの種から苗を育て、民間非営利団体(NPO)とともに「緑のカーテン」普及を進める板橋区役所が約100本の苗を三郷市に寄贈。
川満さんも県農協中央会の関連会社から提供された種を関根さんに贈った。
市は年間6万4,000㍑の灯油を庁舎の空調に使用しているといい「緑のカーテン」による灯油消費量の抑制を期待する。
「一般家庭にもゴーヤー栽培を働き掛け、緑のカーテンのコンテストもやってみたい」と関根さん。
三郷市の取り組みに一役買った川満さんも「沖縄から県外へ、ゴーヤーの縁が広がった」と話し、三郷市の取り組みに期待している。
琉球新報より
関連記事